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会長就任にあたって(ご挨拶)

2020年6月18日

この度、一般社団法人プラスチック循環利用協会の会長に選任されました和賀でございます。 就任にあたり、ご挨拶申し上げます。

当協会は1971年の創立以来、廃プラスチック処理技術の開発などの事業を通じて、プラスチックの生産から廃棄に至るまでの適切な社会システムの構築に寄与してまいりました。2013年4月からは、協会名も現在の「一般社団法人プラスチック循環利用協会」に変更し、プラスチックのライフサイクル全体での環境負荷の低減を通じて、持続的発展に向けた循環型社会の構築に寄与するために、廃プラスチックの循環的な利用に関する調査研究などの事業を推進しております。

わが国では、循環型社会構築に向けた自治体、関係業界、NPO、市民の方々などの弛まぬご努力により、廃プラスチックが、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギー回収(サーマルリサイクル)で有効活用が図られ、その有効利用率は年を追うごとに増加し、いまや84%に達するまでになっています。これは世界トップクラスに位置し、わが国のリサイクルへの取り組み意識の高さを示しているものといえます。
しかしながら、世界全体を見渡しますと、有効利用されている割合は未だ低く、また、不適正な処理のため世界全体で年間数百万トンを超える陸上から海洋へのプラスチックごみの流出があると推計され、地球規模での環境汚染が懸念されています。2015年に世界共通目標として「SDGs」を中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が議決されておりますが、この目標に向けても、廃プラスチックの資源循環体制を早期に構築するとともに、海洋プラスチックごみによる汚染の防止を実効的に進めることが必要となっています。
国内に目を向けると、2018年6月に閣議決定された「第四次循環型社会形成推進基本計画」に基づき、昨年5月にプラスチックの資源循環を総合的に推進するための「プラスチック資源循環戦略」が策定されました。また、6月のG20大阪サミットでは、共通の世界のビジョンとして,2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が合意され、G20以外の国際社会の他のメンバーにも、このビジョンを共有するよう呼びかけられています。
これからは、これらビジョンや戦略を実行に移していくことが求められています。一方で、プラスチックを使用すること自体に厳しい目を向ける向きもあります。プラスチックを論じるに際しては、プラスチックの生産・使用・廃棄・再利用の全体像をしっかりと分析し、ライフサイクル全体を通したプラス面についても十分に目を配る必要があります。

当協会においては、昨年に引き続き、①LCA(ライフサイクルアセスメント)基礎データの提供とリサイクル技術などのLCA評価②プラスチックフロー図の作成と精度アップ及び③環境教育支援の三つの事業をコアとして各種事業を実施し、さらに、資源効率性の向上と3Rの推進に貢献してまいる所存です。
具体的に申し上げますと、LCA基礎データの提供とリサイクル技術などのLCA評価については、引き続き食品容器包装を取り上げ、近年のライフスタイルの変化がもたらすプラスチック製食品容器包装の環境貢献に関連したテーマに取り組みます。
プラスチックのフロー図と精度アップについては、継続的に公表するとともに、必要な調査を進め、さらにその精度と信頼性を向上させてまいります。
環境教育支援事業については、引き続き出前授業、教師向け研修、定期刊行物、ホームページを通してのプラスチックの有用性とリサイクルに関する啓蒙を推進します。
併せて、循環型社会形成に向けた内外の動向への対応を引き続き行います。特に、地球規模の脅威になりつつあるとの認識が全世界で共有されるようになりました漂流プラスチックやマイクロプラスチックなどの海洋ごみ問題については、化学産業やプラスチック関連産業が協力して対応していくため、2018年9月に設立した「海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)」に当協会も共同事務局の一つとして、積極的に関与します。

以上のような活動によって、国、自治体、関係業界、市民、NPOの循環型社会形成活動の一助となるべく努力してまいります。従来にも増して時代の要請に応える活動を進めていく所存ですので、より一層のご支援ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 会長 和賀昌之
(三菱ケミカル株式会社 代表取締役社長)