特集:2011年5月掲載
釧路市:地域特性を生かした独自処理
容器包装プラを固形燃料へ


北海道釧路市は、2008(平成20)年4月から廃プラスチック処理を民間企業に委託し、RPF(廃棄物固形燃料)にする取り組みを始めています。多くの自治体が廃プラの適正処理に向け試行錯誤する中で、このように独自処理に取組む釧路市は、他の自治体にとっても大いに参考になる事例と思われます。そこで、プラスチック情報局では2011年3月末、釧路市を訪れ、釧路市環境事業課とRPF化を受託しているネイチャーテック釧路の取り組みについてお話をうかがいました。

ごみ有料化と容リ法プラの資源化

釧路市は2005(平成17)年度に家庭系ごみ収集の有料化に踏み切りました。それに合わせて落葉・刈草・木の枝と容リ法プラを資源化することに決め、無償で収集することにしました。

それまでの資源物は、缶、びん、紙、布を1994(平成6)年9月から、1999(平成11)年4月からは白色トレイとPETボトルを分別収集していました。

資源物は毎週1回、早朝に資源物収集ステーションに資源受け入れボックスやネット等を置き、その日の朝9時から収集するというしくみです。資源受け入れボックス等の設置は業者委託です。

収集した資源物は、白色トレイ、PETボトル、缶、びんは市の資源リサイクルセンターに運ばれます。白色トレイとPETボトルは資源リサイクルセンターで圧縮・減容化し、リサイクル協同組合に売却しています。なお、PETボトルの一部は容リ協会にも引き渡されています。また、容リ法プラはRPF化事業を行うネイチャーテック釧路に、刈草類は堆肥化施設に運ばれます。

民設民営のRPF工場に直接搬入

じつは、容リ法プラについては資源物として収集を始めた2005年当時、釧路市には処理施設はなく、暫定措置として、破砕して埋め立てる方法をとっていました。その間に調査したところ、容リ法プラは年間3,000tの発生量になることがわかりました。市はその段階で、リサイクルの方法、指定法人に出すのか、地場で活用できないのか、処理施設は民間がよいのか公設がよいのかなど、さまざまな検討を行いました。

一方、廃棄物処理を目的に2006年にネイチャーテック釧路(株)が設立され、地元の製紙工場の強い要望でRPF製造を検討していることがわかり、市が1.2億円の機械設備費補助も行うことになりました。RPFにした場合、まず容リ協に引き渡すための中間処理施設と運転費用が不要で、しかも製造されたRPFが地場で活用できるという一挙両得のメリットがあるということで民間委託の方針になったのです。

製品プラなど容リ法対象外のプラについては釧路市では生ごみなどと一緒に可燃物として収集しています。これは釧路管内の市町村で構成する広域連合による発電焼却施設(ガス化溶融炉)のカロリー計算をしたところ、これらの製品プラは焼却したほうが効率がよいことがわかったためです。市町村合併の動きが流動的だったために、焼却炉の建設が2006(平成18)年と遅かったことも、大型で発電効率のよい焼却施設の建設に結びつきました。

釧路市市民環境部環境事業課の細野隆弘課長補佐のお話

「ボイラー燃料がほしいという製紙工場の声、地元でリサイクルに取り組みたいという強い志をもった会社の創業など、いろいろなタイミングがうまくかみ合って、RPF工場への委託が決まりました。中間処理費用がかからず、年間数千万円の費用でほぼすべての廃プラスチックのリサイクルが実現することから、市民も好意的です。処理工程が地元で完結していますから使い終わった資源がどう活用されているのかが実感でき、環境教育もしやすく、年間200〜300人の市民が処理施設を見学しています。ただ、リサイクルしているからいいよね、と甘えるのでなく、リデュース、リユースの重要性まで理解してもらうよう市民啓発の活動を続けています」

ネイチャーテック釧路
廃プラの資源化事業に燃える東社長

会社概要
ネイチャーテック釧路
〒084-0913北海道釧路市星が浦6丁目6番13号
2006(平成18)年6月設立
RPF実績:2,000t/y
処理能力:固形燃料700s/hr
圧縮梱包1t/hr、破砕1t/hr

この工場では、釧路市で収集した容リ法プラなど年間約2,600t(2009年度実績)を受け入れ、RPFに加工して王子製紙と日本製紙にボイラー燃料として販売しています。

搬入された容器包装プラは、手選別で異物や不適合物の除去を行います。その際、梱包によく使われるPPバンドのみ選別してマテリアルリサイクルに回すのが同社のユニークなところです。廃プラはいろいろな種類のプラスチックが混ざっていることが多いのですが、PPバンドは単一素材でマテリアルリサイクルにしやすく、しかも素人でも判別しやすいという特徴があるため、破砕、洗浄、乾燥したフラフの状態にして別のリサイクル会社に回しています。不純物がほとんどなく、高品質だと大変好評とのことです。

東 陽一社長のお話

「もともと廃棄物処理の仕事に素人だった私は偶然、千葉県銚子市のガラスリソーシング(株)の伊藤憲一会長と出会い、3Rの重要性、リサイクルの面白さ、社会的役割の大きさに気づかせてもらい、この世界に飛び込みました。リサイクルの手法もいろいろ学びましたが、単一素材で回収できればマテリアルリサイクルも有効とは思いますが、トータルで廃プラの適正処理ということを考えると、RPFは非常に有力なリサイクル手法です。地元の雇用確保の面からも、この工場を大きく育てていくことが自分の使命だと考えています。」

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