2017.12.15
2017年12月掲載 2016年の廃プラスチック総排出量は899万t、有効利用率は84% プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(マテリアルフロー図)を公表
このたび「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」(マテリアルフロー図/以下、フロー図と略称)を公表しましたので、その概要をご紹介します。
2016年の廃プラスチック総排出量は899万t、有効利用率は84% プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(マテリアルフロー図)を公表
2016年の国内の「樹脂生産量」は、ほぼ前年比微減の1,075万tとなりました。その内訳は下図のとおりで、生産量は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン類(AS、ABS含む)の順となっています。
また「廃プラスチック総排出量」は899万tとなり、このうちの84%にあたる759万tが有効利用されました。
「廃プラスチック総排出量」の分野別、樹脂別内訳は以下のとおりで、分野別では包装・容器等/コンテナ類が、樹脂別ではポリエチレン、ポリプロピレンが主なものとなっています。
上掲「分野別内訳」につき、これを「一般系廃棄物」(407万t)、「産業系廃棄物」(492万t)別でみたものが次の図です。一般系廃棄物では「包装・容器等/コンテナ類」のみで全体の4分の3を、産業系廃棄物では「電気・電子機器/電線・ケーブル/機械等」と「包装・容器等/コンテナ類」の二つで全体の半分を占めていることがわかります。
有効利用率84%の内訳は、マテリアルリサイクル23%、ケミカルリサイクル4%、サーマルリサイクル(エネルギー回収)58%となりました。有効利用率の一層の向上のためには、依然16%を占める未利用の単純焼却、埋立をリサイクルの流れ中にうまく取り込んでいく必要があります。
一方、マテリアルリサイクルの利用先としての廃プラスチック輸出量は138万tで前年に引き続いての減少となりました。
本年末から適用される中国の廃棄物輸入規制が2017年のフローにどのような影響をもたらすのか気になるところです。
フロー図には環境負荷情報も記載しています。環境削減効果(削減貢献量)は、日本国内で消費されるプラスチックを対象とし、廃プラスチックをフロー図記載のとおり有効利用した場合と有効利用せずに単純焼却したと仮定した場合とについて、プラスチックのライフサイクルにおける各段階(原料調達、プラスチック製造、同加工、使用済品の収集・回収、使用済品の処理・処分)のエネルギー消費量、CO2排出量をそれぞれ算出し、各総計の差をとることで求めています。
フロー図記載数値に基づく2016年のエネルギー削減効果は、前年比9PJ減の216PJ (一般系廃棄物79PJ、産業系廃棄物137PJ) となりました。216PJは、家庭消費総エネルギー量の6.4%、344万世帯分に相当します。
* PJ: ペタジュール=10の15乗ジュール
またCO2削減効果は、前年比19万t減の1,643万t(一般系廃棄物557万t、産業系廃棄物1,086万t)で、これは家庭からのCO2総排出量の6.2%、334万世帯分にあたります。
これらから、プラスチックのリサイクルが環境負荷軽減に多大な貢献をしていることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
■フロー図の詳細をお知りになりたい方はここをクリックしてください
(URL:http://www.pwmi.or.jp/data.php?p=panf )。またフロー図冊子も無料で配布しています
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