よくあるご質問

プラスチック製品の種類

  • なぜ色々な種類のプラスチックがあるの?
    プラスチックの種類は1種類にしたほうがいいのではないですか?

    プラスチックの基本的な性質は、軽くて丈夫、さびや腐食に強い、透明性があり着色が自由、大量生産が可能、などがあります。それぞれのプラスチックには、電気・電子的性質が優れている、断熱性が高い、衛生的でガス遮断性が高い、透明性が高いなどの特徴があり、300種類以上のプラスチックがあります。
    容器包装は、それぞれの性質を組み合わせて省資源で高性能な製品が造られています。
    日頃目にすることが多いプラスチックには、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂(PMMA)などがあります。

     

    ※詳細は、「プラスチックリサイクルの基礎知識」(9~15ページ)などをご覧下さい。

  • プラスチック製の複層(ラミネート)包装製品とは?

    容器包装は、内容物の品質を製造、運搬、店頭で販売、購入、保管、使用までの機能確保です。プラスチックはその素材の持つ性質に限界があり、重ねて貼り合わせる(複層化する)、使用目的に合った省資源な容器包装を作ることが出来ます。
    マヨネーズ容器の基材にポリエチレン(PE)だけを使用すると、常温保存すると空気中の酸素により数日で発色しますが、基材と酸素バリア層と酸素吸収層とを組み合わせることで、保存期間を年単位で伸ばすことが出来ます。

    食品の容器包装には、ほとんどに複層フィルムが使用されています。
    商品の見栄えを良くするデザインや、使用方法や注意事項を印刷することも可能です。
    冷凍食品では、冷蔵時の保管容器と過熱時の調理容器としても使用され、密封性や破袋防止の要求にも応えています。

    様々なプラスチックの性質をまとめた表

    出典:日本プラスチック工業連盟のホームページ

    こんにちはプラスチックコラムより

プラスチック製品の製造とCO2

  • レジ袋を作るときに、どの位のCO2が発生しますか?

    スーパー等で買い物をするときに使われている「レジ袋」を例に説明します。
    レジ袋は、大きく2つの工程で作られます。
    それぞれの工程でのCO2発生は、

     

    1.レジ袋の原料樹脂製造工程で発生するCO2
    レジ袋原料1kgあたりで、1.231kgのCO2が発生します。※(1)

     

    2.レジ袋の加工工程で発生するCO2
    レジ袋1kgあたりで、0.281kgのCO2が発生します。※(2)

     

    合計 レジ袋1kgあたり1.512kgのCO2が発生します。
    …(※(1)+※(2))

    参考:レジ袋を焼却した場合

     

    3. 143kg/レジ袋kg(31.43 g/10g のレジ袋)のCO2が発生します。※(3)

     

    合計 レジ袋1kgあたり4.655kgのCO2が発生します。
    …(※(1)+※(2)+※(3))

     

    ただし、使用済みレジ袋は、通常、「容器包装」「可燃ごみ」「不燃ごみ」のいずれかとして排出されます。
    その後「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」される場合があります。
    節約出来た製品により削減できたCO2発生量を差し引くことが必要です。
    燃焼を化学反応式で示すと、ポリエチレンの繰り返し単位は、(-C2H4-)なので、
    (-C2H4-) + 3O2 → 2CO2 + 2H2O
    28g + 3×32g 2×44g + 2×18g
    ポリエチレンの1繰り返し単位から2モルのCO2が発生することから、
    (2×44)g ÷ (1×28)g = 3.143
    (44gはCO2の分子量、28gはポリエチレンの繰り返し単位分子量)

    コメント

    レジ袋の代りに、マイバックを使用する場合は マイバックの原材料(布製の場合、原料樹脂、繊維、糸、染色、機織、縫製)の各製造/加工工程で発生するCO2量を使用回数で割り差し引くべきではないでしょうか。

    資料文献

    出典:「樹脂加工におけるインベントリーデータ 調査報告書」 - 汎用樹脂加工製品を中心として - (社)プラスチック処理促進協会 2000年1月 より

    ※(1)レジ袋原料のHDPE(高密度ポリエチレン)を原油採掘から輸入・精製・ポリマー重合・ペレットまで製造するときに発生するCO2
    ※(2)原料のHDPEをレジ袋に加工するときに必要なエネルギー相当のCO2

  • 飲料用ペットボトルを作るときに、どの位のCO2が発生しますか?

    1、ペットボトルの原料樹脂製造工程で発生するCO2
    ペットボトル原料1kgあたりで、1.416kgのCO2が発生します。※(1)

     

    2、ペットボトルの加工工程で発生するCO2
    ペットボトル1kgあたりで、0.898kgのCO2が発生します。※(2)

     

    合計 ペットボトル1kgあたり2.315kgのCO2が発生します。
    …(※(1)+※(2))

    ※樹脂加工におけるインベントリデータ調査報告書 2000年1月 より

  • 主なプラスチック製品を作るときにどの位のCO2を発生しますか?

    (1) 主要樹脂を原油採掘から輸入・精製・ポリマー重合・ペレットまで製造するときに発生するCO2を表で示します。
    (2) 主要樹脂を、主な製品に加工するときに必要なエネルギー相当のCO2を表で示します。
    単位=樹脂加工製品Kg
    プラスチック 製容器包装米袋 LDPE食品包装フィルム PP発泡スチロール魚箱 PS発泡スチロールトレイ PS
    (1)1.463 (原料ペレット)1.416 (原料ペレット) 1.894 (予備発泡ビーズ)1.895 (予備発泡シート)
    (2)0.3220.4544.4810.514
    合計1.7851.876.3752.409

    ※樹脂加工におけるインベントリデータ調査報告書 2000年1月 より

    米袋

    米袋

    食品包装フィルム

    食品包装フィルム

    発泡スチロール魚箱

    発泡スチロール魚箱

    発泡スチロールトレイ

    発泡スチロールトレイ

  • プラスチックはどのように作られるの?

    プラスチックは、おもに炭素と水素からなる高分子化合物で、石油や天然ガスなどからつくられます。
    日本では、原油を精製してできる「ナフサ(粗製ガソリン)」を原料にしています。
    年間に輸入される原油と輸入ナフサとの合計量の、約6.5%がプラスチックになります。
    まず、原油を蒸留して得られたナフサを加熱・分解し、エチレン、プロピレン、ベンゼンなどの簡単な構造の物質(低分子化合物)に変えて取り出します。さらに、これらを原料にし何段階かの化学プロセス(重合など)を経て各種のプラスチックが作られます。

    (詳細は、「プラスチックリサイクルの基礎知識」(9~15ページ)などをご覧下さい。)

プラスチック製品の処分・リサイクル

  • プラスチックのリサイクルマークは?

    (1)識別表示(資源有効利用促進法)

    国内で販売する プラスチック製容器・包装について、分別収集をしやすくするため、識別表示(資源有効利用促進法)と併せて、材質表示が推奨されています。

     

    表示方法:材質表示は、原則としてJIS(ISO)に準拠する樹脂略語と記号を用いて表示

    リサイクル表示
    • 複数の材質の内、主たる(最大重量の)材質の略語は必ず記号列の先頭に書いて下線を付すこと。
    • 材質表示における複合材質とは、複数の材質のプラスチックからなる分離不可能なものであり、複合素材とは、プラスチックと他の素材(充填材、紙、金属箔など)の組み合わせで構成される分離不可能なものである。
    • 構成する材質の内、少なくとも二種類の材質(略語、記号)を並べ、カンマ(,)で区切って表示すること。
    • 識別マークと離して表示する場合は、この記号列を区切りマークの
      > < で挿んで表示すること。
    • サイズは、
      1.印刷の場合:上下6mm以上
      2.刻印・エンボスの場合:8mm以上
      と定められています。
      *「紙」「プラ」ともに、マークの上下長を測る

     

    ※詳しくは、経済産業省 化学課監修、日本プラスチック工業連盟発行の「材質表示方法マニュアル」を参照下さい。(日本プラスチック工業連盟 03-3586-9761)

     

    (2)SPIコード
    日本の容器包装リサイクル法にもとづく識別および材質表示とは別に、ときどき見られる下記の表示は、アメリカにおける容器に用いられるプラスチックの材質識別コードでSPIコードと呼ばれます。

    リサイクル表示

    容器包装リサイクル法では、飲料・酒・しょうゆ用などのペットボトルに、三角マークの1番をPET表示、その他のプラスチック製容器包装にはプラマークを使用するよう統一されています。

    (識別マークとSPIマークを併記することは、消費者が混乱する可能性がありますので、望ましくありません。)

    SPIコードPETEHOPEV(PVC)LDPEPPPSOTHER
    日本のプラマークの材料記号PETPEPVCPEPPPSPE,EVOH
    リサイクル表示

    (3)JISの材質表示
    日本工業規格(JIS K6898)で規定された材質表示は、製品を作るときにリサイクルしやすいようにしておくことを定めた「再生資源利用促進法」において、第1種指定製品のなかの、自動車や家電製品に使われている100グラム以上のプラスチック部品に表示するように規定されています。

     

    表示例   > PP <  のように、> < で挿んで表示する。

    ※詳しくは、材質表示 日本プラスチック工業連盟 http://www.jpif.gr.jp/ を参照下さい。

  • なぜ発泡スチロールトレイだけ回収するの?

    各種トレイの中で、爪楊枝の刺さるトレイが発泡スチロールトレイです。(Q5の写真参照)
    単一素材で一般の方が使用後に見分けやすい発泡スチロールトレイは、マテリアルリサイクル(材料リサイクル)に向いています。
    主として家庭から排出される発泡スチロールトレイのマテリアルリサイクルは、自治体、消費者、流通業者、食品トレイ業界が4者一体となって取り組む「店頭回収方式」を中心として進められてきました。
    この中で、消費者は買い物をしたスーパーにトレイを返すなどの役割を担います。
    この方式は今ではすっかり定着し、容器包装リサイクル法の施行以後も広く行われています。

    ※発泡スチレンシート工業会 PSP製容器包装のリサイクルのページを参照下さい。(PSP:発泡スチレンシート)

    このほか、ペットボトルも、単一素材から出来ていて一般の方に分かりやすいので、分別回収されています。

  • 塩素系プラスチックを燃やすと、ダイオキシンが発生すると言われていますが、本当ですか?

    塩素系プラスチックに限らず、ダイオキシンの生成は燃やすものではなく、燃やす条件に依存することがわかっています。
    そのため、国の定めた適正焼却条件、温度800℃以上、焼却滞留時間2秒以上、空気との十分な混合で稼動させること、さらに、焼却後の燃焼ガスを200℃以下で急冷することで、発生を抑制することができます。
    1980年代以降は、焼却由来のダイオキシンが主な発生源として注目されてきました。
    1997年に「大気汚染防止法」施行令の一部改正により抑制基準が告示、2002年までに見直しが行われました。
    その後、発生抑制が可能な焼却施設の導入も進み、現在(2007年)に排出された
    全国の総量は、1997年に比べて約98%の削減となっています

    ※塩ビ工業・環境協会のHPには、より詳しく塩ビとダイオキシンについて説明されています。

  • リサイクル製品の原料となる廃プラスチックは、どのようなものを対象としていますか?

    (1)製品として使用された後に、廃棄ルートから発生する材料または不良品。
    (2)製品を製造する工程の廃棄ルートから発生する材料または不良品。
    ただし、原料として同一工程内でリサイクルされたものを除く。

  • 廃プラスチックは石油に戻せるの?

    家庭から出る多種類の廃プラスチックの油化技術は、環境を悪化させることなく、油にもどせる技術として開発されました。
    しかし、高分子状態のプラスチックを低分子状態に戻す反応はエネルギーの供給が必要な吸熱反応で、約400℃まで加熱するために電気などの新たなエネルギーを使用すること、分離・精製設備が必要なことから、コストが高いために普及が進んでいません。

    ※小型の油化設備が販売されていますが、ご採用にあたっては安全性などを良く検討していただくことをお願いします。

  • サーマルリサイクル(エネルギー回収)ってどんな方法ですか?

    廃プラスチックの持つエネルギーを固形燃料(RPF)にしたり直接燃焼させ、電気、蒸気、温水として利用する方法。
    食品残渣が付着した廃プラスチック、他の可燃物や多種類の樹脂が混ざった状態の
    廃プラスチックの処理に適しています。
    セメントや紙を製造するときの熱源や、ごみ発電などに普及しています。
    ヨーロッパの主要国及び日本では、廃プラスチックのリサイクル量の約2/3が、エネルギー回収されています。

  • 容器包装プラスチックのマテリアルリサイクル(材料リサイクル)では、どんな製品が作られていますか?

    家庭などから出される使用済みプラスチックのうち、ペットボトル、発泡スチロールなどは、繊維製品、包装資材、ボトルや文房具、日用品、などに生まれ変わっています。
    トレイからリサイクルトレイも作られています。
    プラスチック製容器包装(その他プラ)として回収されたプラスチックは、性質が似ているポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)とそれ以外のプラスチックに分けられ、PPとPEは、リサイクルパレット・プラスチックの板・杭などにリサイクルされます。
    残りは、産業廃棄物として焼却などの方法で処理されます。

  • マテリアルリサイクルをしている会社を教えてください

    当協会は公益法人で、特定のマテリアルリサイクル会社を紹介することは出来ません。
    プラスチック再生加工品、再生加工業者は多くの会社がありますが、
    代表的な組合として、日本プラスチック有効利用組合があります。

    https://npy-japan.com
    会員会社の取扱樹脂や住所などを確認し、直接お問い合わせ下さい。