2014.04.15

2014年4月掲載 2年連続でPETボトル「リサイクル率」目標値(85%以上)達成 指定PETボトル軽量化も進む PETボトルリサイクル推進協議会

2014年4月掲載 2年連続でPETボトル「リサイクル率」目標値(85%以上)達成 指定PETボトル軽量化も進む PETボトルリサイクル推進協議会

2年連続でPETボトル「リサイクル率」目標値(85%以上)達成 指定PETボトル軽量化も進む PETボトルリサイクル推進協議会

PETボトルリサイクル推進協議会(PET推進協)が2013年11月に発表した「PETボトルリサイクル年次報告書2013」によると、12年度のPETボトルリサイクル率は85.0%(*)で、PET推進協が第2次自主行動計画(2011~15年度)で掲げた目標「リサイクル率85%以上の維持」を2年連続で達成したことになり、使用済みPETボトルの3R推進に向けた取り組みが定着していることがわかります。また、同じく目標とするPETボトル軽量化も会員各社の技術改善や容器形状見直しの積み重ねなどにより、04年度と比較して平均13.0%の軽量化を実現しています。

 

PET樹脂のマテリアルフロー(2012年)

マテリアルフロー

サイズ・用途別PETボトル軽量化目標と実績(2012年度)

軽量化目標と実績

(出典)PETボトルリサイクル推進協議会 http://www.petbottle-rec.gr.jp/

PETボトルリサイクルの取り組みはこのようにその成果を出していますが、他方12年度においては、欧州不況に端を発するPET樹脂バージン価格下落とその影響による再生PET樹脂価格の急激な低落が起こり、一部落札再生事業者の市町村からの引き取り返上といった事態が生じてしまいました。入札価格の激変は、我が国のPETボトルリサイクルシステムの根幹を揺るがしかねません。このため指定法人では、「平成24年度PETボトル再商品化事業に関する措置規定の軽減適用」を実施し、下期の再商品化事業者の再選定を行いました。また13年度についても、暫定的に2回の入札を行うことになりました。

*日本の「PETボトルリサイクル率」は、欧州のリサイクル率(39%)、米国のリサイクル率(21%)と比べ、格段に高く、世界最高水準にある。

 

日米欧のPETボトルリサイクル率の推移と2012年度実績

PETボトルリサイクル率

PETボトルリサイクル推進協議会 http://www.petbottle-rec.gr.jp/

各地で進むごみ発電余剰電力活用の取り組み

■大阪市(一般競争入札で売電)

総務省は、電力市場活性化のため、2012年4月、ごみ発電を行っている自治体に向け、入札で売電先を決めるよう求める通知を出しました。

 

大阪市では、8か所のごみ焼却場での余剰電力売電先である関西電力と09年4月から期間10年間の売電契約を随意で結んでいましたが、総務省通知を受け、「再生可能エネルギー固定価格買取制度」が適用され一定の売電価格が保証される舞洲(此花区)、東淀(東淀川区)、平野(平野区)、の3か所については入札による売渡価格上昇で収入増が見込めると判断、関電との間の売電契約を中途解約し、違約金5億4900万円を支払うことにしました。

 

そして13年12月、市は、14年度の売電先を大手商社「丸紅」と電力会社「F-Power」に決定したことを発表しました。市によれば、14年度の売電収入は、前年度と同じ売電量とすれば約31億9千万円であり、従前と比べ11億3千万円の増収で、違約金を差し引いても6億円近い収入増になると試算しています。

大阪市舞洲工場

大阪市舞洲工場

大阪市平野工場

大阪市平野工場 

大阪市東淀工場

大阪市東淀工場 

■佐賀市(小中学校の電力賄う)

佐賀市では、ごみ発電余剰電力を市内の小中学校51校※に供給する取り組みを2014年7月から開始します。

市の清掃工場におけるごみ発電量は2500万キロワット時程度ですが、これまでは主に隣接の市健康運動センター向け電力として活用し、その余剰分(約520万キロワット時)を九州電力に売電していました。

 

市の試算では、佐賀市との隣接市町村統合に伴うごみ受け入れ地域拡大により、14年度の余剰電力は約130万キロワット時増の見通しとなっています。これを踏まえ市は、売電先を九電から特定規模電気事業者(新電力)に変更し、小中学校で利用する電気も新電力から供給することにしました。学校の年間消費量はおよそ600万キロワット時なので、ごみ発電余剰電力で十分賄えます。

新電力への余剰電力売却価格がこれまでに比べ高くなる一方、新電力からの電力供給価格が引き下げられるため、小中学校の電気代も大きく低減します。

 

また市では、清掃工場から小中学校に送電される電力量を教育現場でリアルタイムに確認できるようにして、児童生徒の環境教育に活用したいとしています。

※佐賀市内の小中学校53校のうち既存電力網で送電可能な51校。

発電機

佐賀市清掃工場/蒸気タービン発電機

出典:佐賀市エコプラザホームページ
http://www.saga-ecoplaza.jp/clean_factory.html

■青森/津軽地域6市町村(電力の地産地消目指す)

青森県津軽地域6市町村で構成する「弘前地区環境整備事務組合」は、弘前地区環境整備センターの余剰電力売電先を、特定規模電気事業者(新電力)「荏原環境プラント」に変更しました。組合施設や近隣小中学校などの電力を新電力からの供給で賄うことで、電力の地産地消を目指しています。組合によれば、「再生可能エネルギー固定価格買取制度」により、余剰電力の高値売却、廉価購入が可能になったことが今次取り組みの契機となったとのことです。

弘前地区環境整備センター

弘前地区環境整備センター

出典:弘前地区環境整備事務組合ホームページ
http://www.city.hirosaki.aomori.jp/hirokan/sisetu/02.html