2007.04.15

容器包装3R推進環境大臣賞 第1回最優秀賞に(株)エフピコ

容器包装3R推進環境大臣賞 第1回最優秀賞に(株)エフピコ

容器包装3R推進環境大臣賞 第1回最優秀賞に(株)エフピコ

環境大臣賞授与式

環境省は、平成18年度から「容器包装3R推進環境大臣賞」を設け、容器包装廃棄物の3Rの推進活動の奨励・普及を行っています。 製品部門の第1回最優秀賞を㈱エフピコが「店頭回収したトレーを再生利用したエコトレー」で受賞しました。
(株)エフピコのトレーリサイクルの歴史は、昭和50年広島市で焼却施設が故障したことから、急遽スーパー6店舗に回収ボックスを置いたことに始まります。次に昭和62年に、アメリカの消費者運動の影響でマクドナルドが発泡スチロール製のハンバーガー容器を紙に変えアメリカでのポリスチレン業界が7%シュリンクしたという衝撃的な事件がありました。そのことから、日本でも企業防衛策を考える必要が出てきました。現在のスタイルになるまで、使用したトレーを消費者が洗い乾かしたものをスーパーが1円で買い取るという変則デポジット制ではスーパーの集客率が130~140%アップし、マスコミにも注目されました。

エフピコの流れの図

本格的活動は平成2年に始まりました。消費者集会では、「企業の出来ることは行う」ので消費者・スーパーに対して「手伝ってください」とお願いするなど、企業の取組みについて全国で説明会を行いました。消費者が使用済みトレーを洗って乾かしスーパー店頭まで持ち込みます。スーパーは回収ボックスを設置し、問屋さんがトレーを納入したトラックの帰り便で回収したトレーを持って帰ります。自社物流による回収なので物流費用が少なくて済みます。持続可能なリサイクルにするため、ペンスタンドや植木鉢の製造からトレーの製造の「トレー to トレー」の形にし、入り口から出口の運営体制が出来上がりました。イギリスの環境雑誌に「エフピコ方式」として紹介されたのもこの頃です。牛乳紙パックの回収運動が普及していたことも成功の助けになりました。 回収されたトレーはリサイクル工場でペレット化され(※1)、リサイクルペレット30%に工程ロスのペレットを70%を混合してポリスチレンペーパーをつくり、その両面にポリスチレンフィルムをラミネートしてエコトレーに生まれ変わります。

エコトレーとエコマーク

プラスチック
プラスチック
プラスチック再利用のロゴ

取組み開始から17年目を迎え、回収拠点は全国のスーパー6718 指定法人125 教育機関240、月間の回収量はスーパーで490t 指定法人で40t その他合計540~550tを回収しています。リサイクル能力は全国6工場で年間1,310t(24時間稼動として)、エコトレーの販売は、年間1万7,250t(PSPトレー出荷量の約5割)、国内に流通するトレーの5枚に1枚がエコトレーです。 2006年3月までの15年半の間に147.5億枚のトレーを回収し、1億4,160万リットルの原油(200リットル入りドラム缶で約70万8000本)を節約、パッカー車(2トン車)で105万台分の発泡スチロールごみを削減しました。リサイクル工場の見学者は、年間15,000人、出前授業を小学校から大学まで毎年38~40回行っています。

 

トレーリサイクルの仕組み

トレーリサイクルの仕組み

(※1)リサイクル工場でのトレーtoトレー工程
搬入:回収されたトレーは、各地区のリサイクル工場へ搬入されます。
選別:不適物を選別し、その後、白と柄ものに自動選別します。
洗浄:消費者に水洗をお願いしていますが、更に2回洗浄して高い品質の原料にしています。
乾燥:水分を脱水乾燥します。
粉砕:チップ状に粗粉砕します。
最終乾燥:残っている水分を乾燥します。
最終粉砕:花びら程のチップ状に微粉砕します。
溶融押出し:200℃を超える熱で溶かし米粒位の大きさにカットしペレット化します。
リサイクル原料の完成 → 発泡スチロールシート化 → エコトレーへ成形